第1海 キャラクターの作り方
TRPGにおける良いキャラクターとはどんなキャラクターでしょうか。個性的で格好良いキャラクターならば、ある意味では非常に良いキャラクターといえるでしょう。しかしどんなに格好良いキャラクターであっても、シナリオに参加できなければ意味がありません。あるいはGMを困らせるような能力を持っていたり、周りのキャラクターが目立たなくなる位強すぎるというのも考えものです。そこで、キャラクターを作る際に、考えなくてはならない事をまとめてみたいと思います。
その1 データ編まずキャラクターを作り始める前に、自分のキャラクターの果たすべき役割について考えて下さい。PC達がパーティを組んで行動するゲームでは、役割を分担することで、1人1人の負担を減らすだけでなく、見せ場を分け合うことができます。また、そうでないゲームでも自分の役割を明確にすることで、マスターにとってもプレイヤーにとっても扱いやすいキャラクターになるでしょう。当然の事ですが、パーティを組む場合には、プレイヤー同士で相談して役割を決めて下さい。自分1人で決めるなど以ての外です。足りない役割を補ってこそ良いプレイヤーと言えるでしょう。
自分のキャラクターが与えられた役割を果たせるだけの能力を持っているかを確認して下さい。やっている本人はそれでも良いかもしれませんが、与えられた役割を果たせないのは周りの迷惑になります。もう1つ注意すべき点として、戦闘時に為すべきことがあるかという点です。いくら役割を分担しているとはいえ、戦闘には自分の命もかかっているのですから、戦士にまかせて何もしないというのは不自然です。だいいち、どんなシステムでも戦闘は最低30分〜1時間はかかるのですから、何もできないキャラクターではその間プレイヤーが暇になります。まあ、暇になるのは本人の勝手ですが、その間に寝たり、他の事をされると周りのプレイヤーがしらけます。そんな非協力的な行動をとっていると、ゲームに呼ばれなくなる日も遠くはないでしょう。
この点に気をつけなければならないのは、主に戦闘系のキャラクターです。1人だけ強すぎるキャラクターというのはやっている本人は楽しいのかもしれませんが、見てるほうはしらけるだけです。また、1人だけ強すぎるキャラクターが居ると戦闘のバランスがひどくとりづらく、GMに負担をかける事になります。他のキャラクターを見ながら、強すぎず、また弱すぎないように心がけ、時にはマスターや他のプレイヤーに相談する事も必要でしょう。
上に挙げた他に、やってはいけない事をいくつか挙げておきます。
盗賊などの1人いれば十分な職業のキャラクターが2人以上居ると、能力の低い方のキャラクターは出番がなくなってしまいます。出番のないキャラクターをやりたがる人間なんていませんから、役割の分担を意識し、重ならないように注意して下さい。また戦闘系の場合でも、自分より全ての能力において勝っているキャラクターが隣に居たら、やる気も失せようというものです。「キャラクターが強すぎないかを考える」の項を参照して下さい。
何もできないようなキャラクターでは、役割を果たすどころか足手まといです。特にパーティを組んで冒険するようなゲームでは、何故そんな人間と一緒に冒険をしなければならないのか理解に苦しみます。またプレイ中に、キャラクターが何もできない事を理由にプレイヤーが何もしないようでは、怠慢と言われても仕方がないでしょう。
これは一本のばしという方法自体を否定しているわけではありません。データの一本のばしは個性を出すという点では非常に有効な手段の1つですが、やりすぎると「強すぎるキャラクター」と同様にゲームのバランスを崩壊させます。どこまでやっていいのか、という点をマスターや他のプレイヤーと話し合うべきでしょう。さらにもう1つ注意すべき点として、一芸に秀でていても他の事が何もできなければ役立たずでしかないという事です。他の能力とのバランスを考えましょう。
文責:柚木千夜