Song without wordz

トーキョーN◎VAスラム街、一般人では一分と歩けないと言われているこの区画を5歳ぐらいの少女が歩いている。
物珍しげにあたりを見回す少女の目には、色とりどりのビラが映っている。
「IDの偽造、請け合い」
「コーク100g、1シルバー」
そしてふと隅っこの方にビラに混じって1枚の五線譜が貼り付けられているのに気付く。
音符の書かれていないその五線譜には上の方にタイトルだけが殴り書きされている。
「Song without wordz...」


Scene 1 - Ayakashi


RL:ではまずイヌから。千早冴子から呼び出しがあります。
RL(冴子):「突然だけどあなたには今日から休暇を取ってもらうわ」
ガイ:「ミトラスでも行けってか?」
RL(冴子):「ただし休暇というのは表向きで、その間にやってほしい仕事があるの」
ガイ:「ああ」
RL(冴子):「M○●Nに行く予定だった火星からのシャトルがトラブルでN◎VAに立ち寄ることになったの」
ガイ:「火星?話は本当だったのか」
RL(冴子):「そのシャトルの積荷はヒルコ。万一のことがあれば軍が動きかねないわ」
ガイ:「……それを、見張れと?」
RL(冴子):「あなたの任務は到着したヒルコの監視、および必要があれば護衛。費用と報酬は私のポケットマネーから出します。何か質問は?」
ガイ:「何人いるんだ?そのヒルコとやらは」
RL(冴子):「50人ぐらいね」
ガイ:「おいおい、そいつらがN◎VAの街を歩き回るのかよ!?」
RL(冴子):「歩き回らせないのがあなたの仕事よ」
RL:冴子は《買収》を使用。特別捜査許可証をあなたに渡します。休暇中であってもイヌの装備、特殊技能、神業が使用できる業物相当として扱ってください。あと調査費用として1ゴールドを。
ガイ:「了解」


Scene 2 - Manikin


RL:では次のシーン、トーキーの方。こちらは三田茂から呼び出し。
RL(三田):「おまえ、前に火星ヒルコのインタビューを取ったことがあったな」
美夜:二年前だよね?「うん、あるよある、覚えてるよ」
RL(三田):「火星からのシャトルがトラブルでN◎VAに降りてくることになった」
美夜:「へえ」
RL(三田):「火星暴動以降火星関連のニュースソースが途絶えたままになっている。これはチャンスだ。もしかしたら第二のセキヤ報道が出るかもしれん。そのつもりでやってくれ」
RL:業物ではありませんが、マリオネットのバックステージ・パスを渡してくれます。
美夜:「公式の取材ってことでいいのね?」
RL(三田):「ああ。ほどほどにな」


Scene 3 - Kugutsu


RL:残っている2人を飛ばして、先に登場している2人。
ガイ&美夜:はい。
RL:2人は空港内にある報道関係者控室にいます。各社のトーキーが集まり火星開発局の担当者による会見が行われます。タカハシと名乗る偉そうな男が壇上に上がり、話し始める。
RL(タカハシ):「率直に言うと、ヒルコ達へのインタビューは認められない」
美夜:ちょっとちょっと。
RL(タカハシ):「1年前にグリーンヒルコの7割が死滅する風土病が出ている。十分に時間をかけて検疫を行う必要があり、また検疫が終わり次第M○●Nに向かう予定だ。以上」
RL:タカハシは質問も受けずにそのまま出て行きます。質問は許さず次のシーン。
美夜:終わっちゃったし……。


Scene 4 - Neuro


RL:ヒルコの方。
フォボス:あいよ。
RL:シャトルがN◎VAへと降り立ちます。受け入れ準備をしているといわれてさんざん待たされた後、偉そうな男が現れて案内してくれる。
フォボス:タカハシ?
RL:タカハシです。
RL(タカハシ):「諸君、これから検疫のためにC.F.C.の研究所に移動する。まさかとは思うが出歩こうとは考えないことだ。貴様らヒルコがN◎VAの街をうろついたところで軍に射殺されるのがオチだがな」
フォボス:「へいへい」
RL:では研究所へ移動します。検疫と言っていたわりには部屋に通された後はなにもせず、そのまま暇な時間を過ごすことになります。
フォボス:軟禁状態ってわけですか。
RL:そんな中、ヒルコ達の代表者パルカスさんがフォボスに声をかけてきます。
RL(パルカス):「フォボス、ちょっと頼みたいことがあるんだが」
フォボス:「なんでしょう?」
RL(パルカス):「さっきからミリの姿が見当たらないんだ」
RL:ミリというのはパルカスの孫娘です。
フォボス:「は?このごたごたでどっか消えたとかそういう……こと?」
RL:そういうことですね。パルカスは重々しく頷きます。
フォボス:「まいりましたね」
RL(パルカス):「ミリにはバサラの力がある。おそらく移動にまぎれて外に出てしまったのだろう」
フォボス:「なるほど」
RL(パルカス):「検疫の方も真面目にやる気はないようだし、もう1人ぐらいいなくなってもごまかせるだろう」
フォボス:「了解。射殺されないように行ってきますか」
RL:ではパルカスの〈転移〉によってフォボスは虚空へと消えていきます。


Scene 5 - Inu


RL:最後。レッガーのシーン。
月霜:はい。
RL:月霜がストリートを流していると、いつもは気にならないビラなんかが目に入ったりします。「IDの偽造、請け負い」「コーク100g、1シルバー」など。五線譜は見当たりません。
月霜:「相変わらずね」
RL:では軽く〈知覚〉で判定。
月霜:13。
RL:向こうの路地からかすかな物音が聞こえてくる。
月霜:物音の方へ走る。
RL:いかにもレッガーといった感じの男達が5歳ぐらいの女の子を車に連れ込んでいます。月霜を見ると慌てたように車を発進させる。
月霜:タイヤを撃ち抜く。
RL:月霜が銃に手をかけたその瞬間、ポケットロンにコールがかかってきます。
月霜:ああもう!左手でポケットロンを取ります。
RL:相手は劉晶龍です。
月霜:「今は取り込み中なんだけど」
RL(晶龍):「こっちも急ぎの用件なんだ。スラムと中華街の境目付近を5歳ぐらいの女の子がうろついているらしい」
月霜:「そうね。今目の前で男達に連れて行かれたわ」
RL(晶龍):「なにっ!?騒ぎになる前に保護してもらいたい……と言おうとしていたのだが」
月霜:「あんたの電話のせいで止めそこねたのよ!」
RL(晶龍):「急いで追跡してくれ」
月霜:「……タイミングが悪いったらありゃしないわ」

文責:柚木千夜

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